大胆な解放感を体現した木の遊び舎

















初は鉄骨造での空間づくりを予定していたKさん夫妻。子どもたちが思いのままに走り回ることができる、
広々とした住環境を求めたことから導かれた仕様でしたが素材が感じられない懸念から、四寸柱の剛健な木構造が特長である木組に改めてプランをご依頼いただきました。
それが形となったのが、この長さ八メートルもの通し柱のある木造の大空間。和室の八寸角の柱をはじめ、京都のブランド杉で名高い北山杉の磨き丸太が鎮座した、住宅では類を見ないスケールの構造材をふんだんに使用しています。木材による神聖な空気感を感じながら、LDKに進むと豪快な吹き抜けと東に開かれた大きな開口部が現れます。
東面は家庭菜園の予定地で、ここへ向けて広いウッドデッキの追加工事が予定されています。外遊びをする子どもたちの様子をスクリーンのように映し出すのは特注の大きな木製サッシ。二枚が引き込まれることによって、四メートル近い開口幅でウッドデッキに開放し、風を室内に取り込むことを可能にしています。

K様邸の柱や梁などの構造部材が見える真壁造りは、将来の改修工事を容易とするそのシンプルさの反面、割れやねじれなど動きが表面に見えやすかったり、気密断熱の施工精度にも影響するため、使用する木材には厳しい基準が求められます。木組が加盟している「夢ハウス」では、特許取得の乾燥方法により真壁工法に適した良質な木材のストックを供給。狂いの少ない木材で、計画通りの気密を確保しています。南九州を産地とする自然素材のみを使用した中霧島壁の塗り壁や、木材という素材による温かみはもちろんありますが、見た目や触れた時のぬくもりだけでは木の住まいは暖かくなりません。気密工事に力を入れ、換気システムにも熱交換の第一種換気を採用、特筆すべきK様邸の暖房計画の要はオリジナル仕様の基礎断熱。底面はもちろん、基礎の立ち上がり部分は内外を断熱材でサンドイッチにし、強度の高い扁平梁によって通常よりも立ち上
がりの少ない基礎の内部空間にガスファンコンベクターを設置して、床のガラリを通して部屋の隅々まで暖気を送り届け、多層階がひとつながりとなった開放的な空間を一様に暖めています。

敷地面積1122.29㎡(約339.50坪)
延床面積283.56㎡(約85.77坪)
1階面積177.62㎡(約53.73坪)
2階面積105.94㎡(約32.04坪)


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